お墓の基礎知識Elementary Knowledge
お墓や法要等についての説明・解説と、霊園や寺院墓地・墓石についての知識、また一般常識や法要のマナーなど知っておきたい情報を掲載しておりますので、是非ご活用ください。
8.彫刻文字について(正面文字)
浄土宗
浄土宗では「南無阿弥陀佛」、梵字を入れる場合は「○○家先祖代々」と刻む。
※梵字には阿弥陀如来を表す「キリーク」を入れます。(梵字には金箔を入れる場合もあります。)
浄土真宗
浄土真宗では「南無阿弥陀佛」、「倶會一處」と刻むことがよくあります。
また、上記の様に刻む場合は花立に「○○家」と彫刻します。
※倶会一処(くえいっしょ)とは阿弥陀経に出てくる文で「ともに一つのところで会う」という意味です。
天台宗
天台宗では「南無阿弥陀佛」、梵字を入れる場合は「○○家先祖代々」と刻む。
※梵字には阿弥陀如来を表す「キリーク」もしくは、大日如来を表す「ア」を入れます。(梵字には金箔を入れる場合もあります。)
真言宗
真言宗では「南無大師遍照金剛」、梵字を入れる場合は「○○家先祖代々」と刻む。
※梵字には大日如来を表す「ア」を入れます。(梵字には金箔を入れる場合もあります。)
禅宗(臨済宗/曹洞宗)
禅宗では「南無釈迦牟尼佛」、頂部に○(円相)を刻む場合は「○○家先祖代々」と彫刻します。
※円相とは禅宗で悟りの象徴として描く丸い形で、心性の完全円満を表します。
日蓮宗
日蓮宗では髭題目で「南無妙法蓮華経」、頂部に(妙法)を刻む場合は「○○家先祖代々」と彫刻します。
※妙法とは「法蓮経」の教えのとこで、最も優れた正しい仏の教えを表します。
日蓮正宗・創価学会
日蓮正宗では髭題目で「妙法蓮華経」、また創価学会の場合は「妙法蓮華経○○家」と刻む。
神道・天理教など
神道の場合は「○○家之奥津城(おくつき)」(「○○家之奥城」、「○○家之奥都城」)と彫刻します。
※奥津城(おくつき)とは神道でお墓を意味する言葉「○○家之墓」と同じ意味になります。※詳しい意説明
キリスト教
キリスト教の場合は十字架を刻み「○○家」と彫刻したり、聖書の引用や好きな言葉を彫刻します。
また、好きな花などのレリーフを彫刻される方も多い。
一般的・無宗派
無宗派の方や一般的な彫刻は「○○家之墓」と彫刻しますが「ありがとう」や「愛」「和」「絆」など好きな文字を
彫刻される方が多く、特に決まりは無いので自由に彫刻できます。
■彫刻文字の色
関西では正面文字は色を入れずに彫ったままの状態で置くのが一般的ですが、色入れについては、1色で統一するのが普通で、人気としては黒が大半を占め、そのあと紺、白はごくわずかといった感じになります。(黒の石碑は白が多い。)さらに大抵は建立者が該当しますが、近年では生きている人の名前をお墓に刻む場合は、名前部分に朱色を入れて故人と区別するのが一般的です。
なお朱色を入れた人が亡くなった場合は、朱色を抜くか上から黒色などで塗りつぶすのが普通ですが、色を完全に抜くのは大変難しいため(若干色が残ってしまいます)、ほとんどの場合、黒色で上塗りします。
石材によっては特に色を入れないと文字やデザインが見えにくい場合がありますので、色を入れる事によってはっきりと文字を見せることができます。又、黒系の石は色をいれなくてもはっきりと文字が見えるので、色を入れる事により石の特長が消されてしまう事があります。色を入れた場合、最初は綺麗ですが、時間が経つと汚れが目立ち、ペンキがはがれて汚くなるという欠点もあります。